認証

認証とは

実社会では,契約文書の正当性を確認したり本人であることを証明するために,自筆のサインや実印による認証が用いられている.これは,本人以外が同じ筆跡や印影を偽造するのは困難であるという前提に基づく認証システムといえる. しかし,これを情報通信システムにそのまま適用するのは困難である.電子データを用いて単純にこのような認証システムを実現しようとすると,例えば印鑑の場合,どんなに複雑な印影データを作成したとしても,電子データであるが故にその複製や転載が簡単にできてしまうからである.
ユーザを認証するための要素の種類により,認証方式は次のように分けられる.

多くの要素を用いて認証することにより,認証の厳密度が向上する.

認証技術

メッセージ認証

メッセージ認証は,文書の改ざん検出を行うため文書にメッセージ認証コード (MAC: Message Authentication Code)を付与して転送する方式である (→ メッセージ認証子 (MAC))
メッセージ認証には,再生攻撃と呼ばれる攻撃者が通信を傍受し,送信メッセージのコピーを再度送信先に送り付ける攻撃法がある. この再生攻撃に対処するためには,タイムスタンプやシーケンス番号をメッセージへ付加した後にMACを計算する(正常な処理では,同じ送信メッセージは発生しない)ようにすることが必要である.

なお,単にメッセージ伝送における誤りを検出する方法には CRC 方式もあるが,意図的な改ざん検出対策には向かない. (→ 巡回冗長検査 (CRC))

利用者認証

利用者認証の基本は,利用者のみが知っている情報を用いて認証を行うものであり,次のような方式がある.

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