ファイルの暗号化

コンピュータ上で個人情報や機密性の高い情報を扱う場合,不正なアクセスから情報を守る必要があります.パスワード等による PC の利用者管理の他に,OS のファイル管理機能を用いてファイルやフォルダに対するアクセス権を設定し,重要なファイルにアクセスできるユーザーを制限することはできます. しかし,アクセス管理機能でアクセス制限を加えても,データを記録したハードディスク (あるいは PC 自体) が物理的に盗まれ,ディスク解析ツールなどで情報が読み出されるようなケースには対応できません.また,データを取り出して通信回線等を介して他の場所に転送する場合にも,盗まれる危険性はあります.

このような場合,情報 (ファイル) を暗号化して保存や転送することが効果的な対策になります.

ファイルのセキュリティ対策

コンピュータ上でファイルを扱う場合の情報セキュリティに対する要件には,以下があります.

これらを実現するためのファイルに対するセキュリティ対策として暗号技術があります.

Windows の暗号化機能

ファイル暗号化

オンラインストレージの暗号化

GoogleDrive や OneDrive など複数のコンピュータとの間でファイルの共有を可能とするオンラインストレージサービスの場合,格納されるファイルのセキュリティは基本的にはオンラインストレージサービスの機能に依存します.例えデータが暗号化されて格納されていたとしても暗号化の機能をサービス提供側に一任しているため,セキュリティ上の不安は残ります(サービスの提供側では復号して中身を見ることは可能). また,オンラインストレージサービスのユーザIDとパスワードが漏洩した場合には暗号化されていても情報は漏洩します.

ファイル暗号化ソフトを使ってファイルを暗号化してから格納すれば,オンラインストレージサービスのパスワードと暗号化ソフトのパスワードで2重の防御ができますが,毎回暗号化や復号が必要になり操作性が悪くなります.この場合,フォルダ暗号化ツールやサービスなどを使って設定した暗号化フォルダをオンラインストレージと同期するフォルダに設定すれば操作は自動化できます.

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